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キャンプチェアの選択で失敗したことがあります。

最初に買ったのは重くてかさばるチェアで、バイクには絶対に積めなかった。「かっこいい」だけで選んで、実用性を後回しにした結果です。店頭で座ったときの「どっしり包まれる感じ」が気持ちよくて、その場の座り心地だけで決めてしまったんですよね。家に帰って収納袋に入れてみたら、その袋がもう一抱えあるサイズで、セローのシートバッグに入る気配がまるでなかった。結局そのチェアは、車で行くキャンプのときだけ持っていく特別枠になって、ふだんの軽装キャンプではずっと出番なし。安い買い物じゃなかったので、しばらくモヤモヤしてました。

キャンプの椅子なんて座れればどれも同じだろう、と当時のおれは思ってたんです。でも実際に使い込んでいくと、座り心地・重さ・収納サイズ・テーブルとの高さ、この四つのバランスで快適さがまるで変わってくる。どれかひとつだけ突き詰めても、残りが破綻すると現場でストレスになる。だからこそ「自分のキャンプスタイルでは何を優先するのか」を先に決めておかないと、おれみたいに買い直すことになります。ここでは、その優先順位を自分で決められるように、種類ごとの向き不向きを正直に書いていきます。


チェアの種類

ローチェア

座面が低めで焚き火の熱を感じやすい高さ。

ソロキャンプでゆっくりする時間を大切にしたい人向け。ヘリノックスのチェアワンが定番で、重量が900g以下・収納がペットボトルサイズというコンパクトさが人気の理由です。

おれがローチェアを気に入っているのは、座ったときの目線の低さです。座面が地面に近いと、焚き火の炎がちょうど目の前で揺れて見える。火の粉がパチッと爆ぜる音と、薪が崩れるときの低い音が近くに感じられて、ぼんやり眺めているだけで時間が溶けていくんですよね。手を伸ばせば火ばさみが届く距離で薪をくべられるから、立ち上がる回数も減る。秋の夜、丹沢の渓流沿いで日が落ちてから、このローチェアに沈み込んでコーヒーを飲んでいる時間が、おれにとってはキャンプの本番みたいなものです。

ただ、座面が低いぶん立ち座りはちょっと面倒になります。膝や腰に不安がある人だと「よっこいしょ」が必要になる高さなので、そこは正直に言っておきます。焚き火に近づける快適さと、立ち座りの手間。このトレードオフを許せるかどうかが、ローチェアが向くかどうかの分かれ目です。おれは座っている時間のほうが圧倒的に長いので、多少の立ち座りの手間は気にならない、という判断でローチェアに落ち着きました。

類似品も多数あり、1,500〜5,000円程度で「ヘリノックス類似品」が出回っています。ちゃんと機能する製品もありますが、ロック機構の甘さや耐荷重の問題があるものもある。実際、安い類似品を試したときに、ポールを差し込む接続部のロックが甘くて、深く座り直した拍子にカチャッと外れかけたことがありました。地面に尻もちをつくほどではなかったけど、座っているあいだじゅう「また外れるかも」と気になって落ち着かない。安いものを試して感触を掴むのはアリですが、長く使うつもりなら接続部とロック機構のしっかりした製品を選んだほうが、結局は安く済むと思います。

ハイチェア(通常の椅子の高さ)

テーブルと高さを合わせやすく、食事しやすい。

焚き火から少し距離を取る形になる。

コールマン・DOD・キャプテンスタッグなど各社から出ていて、価格帯は3,000円〜1万円程度。

ハイチェアの良さは、食事のときにわかります。座面が高いとテーブルとの高さが合わせやすくて、皿に顔を近づけなくても箸が口まで自然に運べる。ローチェアだとどうしても前かがみになりがちで、しっかり食事をする日には腰が疲れてくるんですよね。家族で行くキャンプのとき、息子と並んでテーブルで飯を食うなら、おれはハイチェアのほうが落ち着くと感じます。立ち座りもラクなので、料理の最中に何度も立つような場面でも体への負担が少ない。

逆に、焚き火をじっくり眺めたい夜には、ハイチェアだと火との距離ができて、あの「炎に包まれる」感覚は薄くなります。だから「食事メインの賑やかなキャンプ」か「焚き火メインの静かなキャンプ」か、その日の過ごし方で向き不向きが分かれる。両方ほしくなる気持ちもわかりますが、軽装で動くなら一脚に絞らないと荷物が膨らむので、自分のキャンプの主役がどっちなのかで決めるといいと思います。

折りたたみ椅子(座面高め・背もたれなし)

最小限の構造で超軽量・コンパクト。バイクキャンプに向いています。

快適性は低めですが、荷物の制約がある場合はこれが正解のことも。

おれがセローで林道の先まで行って、できるだけ荷物を削りたいときに頼りにするのがこのタイプです。背もたれがないぶん長時間のんびりするには向かないけど、コーヒーを淹れて飲んで、また走り出す、みたいな短い休憩には十分すぎる。畳むとほんとに手のひらに乗るくらいまで小さくなるので、サイドバッグの隙間にねじ込んでおける身軽さがありがたい。地面に直接座るのと違って尻が冷えないし汚れないので、これがあるだけで休憩の質がぐっと上がります。「快適さは妥協する代わりに、とにかく軽く小さく」という割り切りができる人なら、折りたたみ椅子は手放せなくなる道具です。まぁ、楽しけりゃいいよね、という気分でふらっと走るときの相棒ですね。


テーブルの選び方

アルミ折りたたみテーブル

軽量・安価・清潔にしやすい。キャンプ用途で最もポピュラーな素材です。

ロール式(くるくると巻いて収納)とフラットタイプがあります。ロール式はコンパクトですが、天面の溝に汚れが溜まる欠点がある。

おれが最初に買ったのはロール式のアルミテーブルでした。収納したときの細長い棒状の小ささに惹かれたんですよね。実際バイクには積みやすくて重宝したんですが、使ってみると天面の細い溝にコーヒーをこぼしたり、調味料の粉が落ちたりすると、その溝の奥が地味に拭き取りにくい。撤収のときにウェットティッシュで何度もなぞる手間があって、これがロール式の弱点だと身をもって知りました。逆にフラットタイプは天面が一枚板みたいにツルッとしているので、汚れをサッとひと拭きで済ませられる。バーナーを乗せて湯を沸かすような熱を扱う作業でも、アルミは熱に強くて溶けたり焦げたりしないので安心です。コンパクトさを取るか、手入れのラクさを取るか。ここも好みが分かれるところだと思います。

竹・木材テーブル

見た目が温かみがあり、キャンプ映えする。

重量があるため、車での移動には向きますがバイクには向かない。

木のテーブルは、アルミにはない落ち着きがあります。天面に置いたランタンの灯りが木目に乗ると、サイト全体の雰囲気がやわらかくなる。家族でテーブルを囲むようなゆっくりしたキャンプなら、多少重くても木のテーブルを選びたくなる気持ちはよくわかります。ただ正直に言うと、重さと収納サイズはかなりのもので、軽バンで運ぶならまだしも、セローのリアに括りつけるのは現実的じゃない。だから「車で行く家族キャンプ用」と「バイクで行くソロ用」で、おれはテーブルを使い分けています。一台ですべてをまかなおうとすると、どっちつかずになりがちなんですよね。

ウッドロールテーブル

木材スラット(板)を並べて折りたたむタイプ。見た目と軽さのバランスが良い。

ウッドロールは、木の見た目とロール式の収納性の「いいとこ取り」を狙った形です。無垢の一枚板テーブルほどの重厚感はないけれど、アルミの無機質さが苦手な人にはちょうどいい落としどころになる。板と板のあいだに溝があるぶん、細かいものを置くと挟まったり、安定しない天面の上で熱い飲み物を倒さないか少し気を使ったりはします。見た目の温かみがどうしてもほしくて、でも荷物はそこそこ抑えたい、という欲張りな要望にこたえてくれるタイプ、という理解でいいと思います。


チェアとテーブルの高さの組み合わせ

チェアとテーブルの高さが合わないと、座り姿勢が崩れてキャンプ体験が快適でなくなります。

これ、意外と見落としがちなんですが、現場で効いてくる差が大きい。チェアだけ、テーブルだけで気に入って買って、いざ合わせてみたら高さがちぐはぐ、というのはあるあるの失敗です。おれも一度、ローチェアに対してテーブルが高すぎて、飲み物を取るたびに腕をぐいっと持ち上げる格好になったことがありました。一回ごとは小さな違和感でも、それが一晩じゅう続くと、なんとなく落ち着かない夜になるんですよね。

基本は「テーブル高さ=チェア座面高さ+20〜25cm」が目安。

なぜこの差なのかというと、座ったときの肘の自然な位置に天面がくると、腕に余計な力を入れずに飲み物や皿に手が届くからです。低すぎると前かがみで腰が疲れ、高すぎると肩がすくんで肘が浮く。この+20〜25cmという数字は、ラクに食事できる肘の高さを経験的に表したもの、と理解しておくと選びやすくなります。

ローチェア(座面高20〜25cm)に合わせるには、テーブル高40〜50cmが向きます。
ハイチェア(座面高40〜45cm)には、テーブル高60〜70cmが標準的。

おれのおすすめは、できれば同じメーカーの同じシリーズでチェアとテーブルを揃えることです。メーカーは自社のチェアの座面高に合わせてテーブルの高さを設計していることが多いので、シリーズで合わせると高さの相性で外しにくい。別々のメーカーで組むなら、それぞれの座面高とテーブル高を数字で確認して、足し算が+20〜25cmに収まるかをチェックしてから買う。ネット通販だと現物を試せないぶん、この数字の確認をサボると現場で後悔します。購入前に組み合わせを確認してから買うのが大事です。


チェアとテーブルが良いと、焚き火の前の時間が格段に豊かになります。

最初に重いチェアで失敗したおれが言えるのは、「その場の座り心地だけで決めるな」ということです。座り心地・重さ・収納サイズ・テーブルとの高さ、この四つを自分のキャンプスタイルに当てはめて、どれを優先してどれを妥協するかを先に決める。それさえできれば、高い道具を買わなくても、自分にぴったりの一脚と一台にたどり着けます。完璧な正解を探すより、自分の過ごし方に正直になることのほうが大事だと、何脚か買い替えてようやくわかりました。

道具が体になじんでくると、設営が終わってチェアに腰を下ろした瞬間に「あー、来てよかった」と思える。あの一息のために、おれはせっせと道具を選んでるのかもしれません。まぁ、楽しけりゃいいよね。


よくある質問

Q. ローチェアとハイチェアはどちらが焚き火向きですか?

焚き火を楽しみたいならローチェアのほうが向いています。座面が低いぶん火に近くなり、炎の熱が感じやすく雰囲気も出ます。ハイチェアは食事がしやすいですが、焚き火との距離ができるので場面に応じて使い分けるのが理想です。

Q. バイクキャンプには折りたたみ椅子しか無理ですか?

ヘリノックス型のポール+生地のチェアなら重量900g以下・収納35cm以下になるものもあり、バイクのサイドバッグに入ります。快適性も十分で、バイクでも座り心地を諦めなくていい選択肢があります。

Q. チェアとテーブルの高さが合わないとどうなりますか?

姿勢が崩れて疲れやすくなります。目安は「テーブル高さ=チェア座面高さ+20〜25cm」です。ローチェアには低めのテーブル、ハイチェアには通常の高さのテーブルを合わせると食事が快適になります。

Q. ヘリノックスの類似品はどうですか?

機能する製品もありますが、ロック機構の甘さや耐荷重が問題のものもあります。1,500〜5,000円の類似品で試してみて、気に入ったら本家に移行するという使い方もあります。購入するなら耐荷重120kg以上の表記があるものを選ぶのが無難です。

Q. ソロキャンプ向けのテーブルの最適サイズはどのくらいですか?

30cm×50cm前後が使いやすいです。1人分の食器とクッカーを置けるサイズ感で、重量500g以下のものも多いです。バイクや徒歩キャンプでも持ち運びやすく、ソロキャンプには十分な広さです。

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