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最初に買ったリールを1年間メンテナンスなしで使っていたら、巻き感がゴリゴリになりました。

買ったときは、ハンドルを回すとシャーッと滑らかで、指先に何の抵抗もなかったんです。それが半年くらい経った頃から、ほんのわずかに「ざらっ」とした感触が混じるようになって。最初は気のせいだと思って無視していました。釣りに行けば魚は釣れるし、巻けるんだから問題ない、と。でもある日、海から帰って次の釣りでリールを手に取ったとき、明らかにハンドルが重い。回すたびにゴリッ、ゴリッと内部で何かが引っかかる音までする。さすがにこれはおかしいと気づいたわけです。

「あれ、なんか重くなった?」と思って調べたら、海水の塩分が内部に浸透してグリスが劣化していたようでした。ショップで見てもらったら「日常的に水洗いしていれば防げた」と言われて、自分のズボラさを痛感しました。店員さんがリールを開けて見せてくれたんですが、本来うっすら飴色のはずのグリスが、白っぽくパサパサに固まっていて。塩の結晶が混ざってジャリジャリになっていたんです。あれを見たときの「うわ、自分の道具をこんな状態にしてたのか」という情けない気持ちは、今でも覚えています。

正直、リールなんて巻けりゃいいと思っていました。安いものだったし、壊れたら買い直せばいいや、と。でもショップで「洗うだけで全然違いますよ」と言われて、たった水洗いをサボっただけで一台ダメにしかけたのかと思うと、なんだか妙に悔しかった。それ以来、海釣りの帰りには必ずリールを洗っています。手間といっても1〜2分の話で、これで道具が長持ちするなら安いもんだな、と今は思っています。


なぜ洗わないとダメなのか

海水には塩分が含まれていて、リールの金属パーツに付着すると錆の原因になります。

ここで厄介なのが、塩分は水が蒸発した後に「結晶」として残るということです。釣りをしている最中はリールに海水がかかっても、まだ濡れているだけなので何も起きません。問題はそのあと。家に帰るまでの車の中、あるいは置きっぱなしにした一晩で水分だけが飛んで、塩の粒だけがびっしり残る。これが金属の表面に張り付いて、湿気を吸って錆を呼ぶわけです。海釣りの後ほど早く洗ったほうがいいと言われるのは、塩が乾いて結晶化する前に流してしまえ、という意味なんですね。

ボディの外側だけでなく、ラインローラー(糸が通る部分)、ハンドルの接合部、スプールの内側など、細かい部分に塩分が残りやすい。とくにラインローラーは糸が常にこすれて海水を巻き込む場所なので、塩が溜まる定番ポイントです。スプールの裏側やドラグの隙間も、見た目には何もないように見えて、指でなぞると白くザラついていることがあります。おれも一度、きれいに拭いたつもりでスプールを外したら、内側に塩が筋になって残っていてゾッとしました。

「釣りから帰ったら濡れタオルで拭く程度でいい」という考えは間違いで、表面を拭いても内部の塩分は残ります。拭くという行為は、見えている水滴を取っているだけで、すでに細かい隙間に入り込んだ塩は動かせない。むしろ拭いて表面だけ乾かすと「もう大丈夫」と安心してしまって、内部で塩がじわじわ仕事をしているのに気づけません。これが一番危ない。だからこそ、面倒でも流水で洗って、隙間に入り込んだ塩ごと押し流すことが重要です。おれが最初の1年でリールをダメにしかけたのは、まさにこの「拭けばいい」という思い込みのせいでした。


帰宅後の洗い方

シャワーで洗う(基本)

釣りから帰ったらすぐに、水道のシャワーでリールを洗います。「すぐに」というのがポイントで、おれは玄関に入る前に、車から降りたその足で洗面所に直行するくらいの感覚でやっています。疲れて帰ってきた日はソファに座りたいのを我慢して、まずリールだけ片付ける。ここで「あとでやろう」と一度置いてしまうと、結局そのまま寝てしまって翌朝に塩が乾いている、というのを何度かやらかしました。だから手順を体に覚え込ませて、考える前に手が動くようにしています。

注意点:水圧を弱めにすること。強い水圧だと内部に水が浸入します。シャワーヘッドを離して、弱い流水でさっと流す感じ。ここを勘違いして、最初の頃は「しっかり洗ったほうが落ちるだろう」と勢いよく水を当てていました。でもこれは完全に逆効果で、強い水流はリールの隙間から内部へ水を押し込んでしまう。本来は防水のパッキンがあっても、正面から圧をかければ少しずつ侵入します。内部に入った真水もまた、抜けきらなければ錆のもとになる。だから「洗う」というより「表面を流す」くらいの優しさでちょうどいいんです。シャワーヘッドはリールから20〜30cmくらい離して、お湯ではなく水で流します。

ドラグノブは締めた状態で洗うとドラグ内部に水が入りにくくなります。ドラグというのは魚が走ったときに糸を出す調整機構で、内部にワッシャーやフェルトが何枚も重なっています。緩めた状態だと隙間が開いて水が入りやすいので、洗うときだけはギュッと締めておく。これを覚えてからは、ドラグの効きが悪くなることがなくなりました。

1〜2分、全体をまんべんなく流したら、ティッシュやクロスで水分を拭き取ります。拭くときも一方向にゴシゴシやるんじゃなくて、押さえるように水気を吸わせる感じ。とくにハンドルを回しながら少しずつ流すと、ローター(くるくる回る部分)の裏に隠れた塩も流れ落ちやすくなります。おれはここでハンドルを20回くらいゆっくり回して、内部に残った水と一緒に塩を出し切るようにしています。

乾燥させる

拭いた後は、ドラグを緩めた状態で風通しの良い場所に置いて乾燥させます。直射日光に当てると早く乾きそうな気がしますが、これはやらないほうがいい。熱でグリスが溶けたり、樹脂パーツが傷んだりすることがあるからです。おれは室内の窓際とか、玄関の風が通る棚の上に置いて、自然に乾かしています。半日も置いておけば表面はだいたい乾きますが、内部の水分はもう少しかかるので、できれば一晩そのままにしておくと安心です。

ここで一つ覚えておいてほしいのが、洗ったあとは「締めて洗って、乾かすときは緩める」と工程ごとに切り替えるということ。洗うときはドラグを締めて水の侵入を防ぎ、乾燥のときは緩めて中の湿気を逃がす。最初はこの切り替えがごちゃごちゃになって、緩めたまま洗ったり締めたまま保管したりと、ちぐはぐなことをやっていました。

ドラグを締めたまま保管するとドラグワッシャーが変形することがあるので注意。ワッシャーは常に圧がかかった状態だと、フェルトやカーボンの繊維がへたって元に戻らなくなります。そうなるとドラグの効きがカクカクして、肝心の魚がかかったときに滑らかに糸が出ない。おれも最初、洗ったあとそのまま締めっぱなしで何ヶ月か放置してしまって、次のシーズンにドラグの効きがおかしくなったことがありました。たった「緩めておく」だけのことなので、保管前のひと手間として習慣にしておくといいです。


ラインローラーのメンテナンス

ラインローラーは特に塩分が溜まりやすい部分で、サビるとゴリゴリした感触になります。糸を巻くときに必ず通る小さな輪っかの部品で、ここが回転することでラインのよじれを逃がしているんですが、内部に小さなベアリングが入っていることが多い。このベアリングに塩が噛むと回転が渋くなって、糸の出が悪くなったりライントラブルが増えたりします。おれが最初にゴリゴリを感じたのも、思い返せばこのラインローラーあたりからだった気がします。

ラインローラーのネジを外してパーツを分解し、塩分を取り除いてグリスを塗り直すのが本来のメンテナンス。慣れてきたら試してみてください。ただし、ここは正直ハードルが高いです。ネジが小さくて精密ドライバーが要るし、外したパーツの順番を間違えると組み戻せなくなる。おれも一度ここで小さなワッシャーをシンクに落として排水溝に流しかけ、心臓が止まりそうになりました。だから分解に挑戦するときは、白いトレーや皿の上で、外した順番どおりにパーツを並べながらやるのをおすすめします。スマホで分解前の写真を撮っておくのも、組み戻すときの保険になります。

最初は分解せず、流水洗いのついでにラインローラー周辺を念入りに流すだけでも効果があります。おれもしばらくは分解せず、洗うときにラインローラーだけ指で軽く回しながら水をかけて、内部に水を通すようにしていました。これだけでも塩がかなり抜けて、ゴリゴリの進行はだいぶ抑えられます。完璧を目指して分解に失敗するより、ハードルの低いやり方を毎回ちゃんと続けるほうが、結果的にリールは長持ちする。これは2台目以降を使ってみて実感したことです。


シーズン終わり・長期保管前のメンテ

シーズンが終わったら、少し手間をかけたメンテナンスをします。普段の流水洗いは「塩を落とす」のが目的ですが、長期保管前のメンテは「次のシーズンまで眠らせる準備」という意味合いです。何ヶ月も使わずに置いておくと、わずかに残った水分や塩が静かに錆を進めてしまう。動かさない期間こそ、丁寧に仕上げておく価値があります。

  1. シャワーで流水洗浄
  2. 完全乾燥(1〜2日)
  3. ラインローラー・ハンドルノブにオイルを1滴ずつ
  4. ドラグを緩めて保管

普段より乾燥時間を長めに取るのがコツで、おれは保管前だけは丸2日くらいかけてしっかり乾かします。中の水分が残ったまま油をさすと、油が水を閉じ込めてしまって逆効果になることがあるからです。オイルは「1滴ずつ」が本当に大事で、たっぷりさしたほうが効きそうな気がしますが、これも逆。多すぎるとホコリやゴミを呼び込んで、かえって回転を渋くします。爪楊枝の先にちょんと付けるくらいの量で十分でした。

これだけでリールの寿命が全然違います。手順自体は地味で、やっている最中は「これ意味あるのかな」と思うこともあります。でも翌シーズンの最初の一投で、ハンドルがシャーッと滑らかに回ったときの「お、ちゃんとやっておいてよかった」という感覚は、毎年ちょっとうれしい。道具が応えてくれる感じがするんですよね。

「高いリールを大事にする」より「普及品のリールを丁寧に洗う」ほうがコスパがいい。安いリールでも洗えば5〜6年使えることを、2台目以降で実感しました。最初の1台をダメにしかけた反省から、2台目は買ったその日から洗う習慣をつけたんですが、これがまだ現役で動いている。高いリールを買って雑に扱うより、手頃なリールを大事に使うほうが、結局は財布にもやさしいし、何より道具に愛着がわく。おれみたいに道具にそんなにお金をかけられない人ほど、このメンテナンスの効果は大きいと思います。まぁ、楽しけりゃいいよねという話ではあるんですが、楽しく釣りを続けるためにも、道具が壊れないに越したことはないので。


竿(ロッド)の洗い方も基本は同じ

リールと同様に、ロッドも帰宅後に流水で洗います。竿は丈夫そうに見えるので、おれも最初の頃はリールだけ洗って竿は拭くだけで済ませていました。でも竿も金属パーツが付いている以上、塩は容赦なく溜まります。とくに地面に立てかけたり砂浜に置いたりした竿は、砂と塩が一緒にこびりついていることがあるので、軽く水を流してやるだけでだいぶ違います。パックロッドみたいに継ぎ目が多い竿は、その分だけ塩の入り込む場所も増えるので、おれは継ぎ目を一節ずつ流すようにしています。

ガイド(ライン通す輪)が特に塩分が溜まりやすい。ガイドが錆びるとラインが傷ついて高切れの原因になります。ガイドの内側にはリングが入っていて、ここに糸が高速で通るわけですが、表面がザラついたり錆の小さな突起ができたりすると、それがヤスリのように糸を削る。気づかないうちにラインが弱って、ここぞという大物がかかった瞬間にプツッと高切れする、というのが一番悔しいパターンです。おれは一度、原因のわからない高切れが続いた時期があって、よく見たらガイドのリングに小さな傷が入っていた、ということがありました。ガイドは洗ったあと、指でそっと内側をなぞって引っかかりがないか確認するクセをつけておくといいです。

ジョイント部分(繋ぎ目)も洗って、差し込む前に少量のワックスかロウソクを塗ると抜けやすくなります。継ぎ目に塩や砂が噛んだまま差し込むと、抜き差しのたびに表面が削れて、最終的に固着して抜けなくなったり、逆にスカスカで釣りの最中に抜けたりします。ロウソクをひと撫でするだけで滑りがよくなって、固着もしにくくなる。これは釣具屋の人に教わってから、ずっと続けている小ワザです。地味ですが、現場で竿が抜けなくて焦る経験を一度でもすると、このひと手間のありがたみがよくわかります。

竿を洗って乾かしたら、しまうときの入れ物も意外と大事です。濡れたまま袋に押し込むと、せっかく洗った竿が袋の中で蒸れて、また錆を呼んでしまう。おれはパックロッドを車に積んで持ち運ぶことが多いので、ぶつけて傷がつかないようにケースに入れています。竿が折れたり傷んだりするのは、釣り場よりむしろ運搬中だったりするので、ここをケチると結局リールも竿も寿命が縮みます。


道具を大事にするのは、次の釣りを楽しくする準備だと思っています。最初の1台をダメにしかけたときは、正直「面倒くさいことが増えたな」と思いました。でも続けているうちに、帰宅後のリール洗いは釣りの締めくくりみたいな時間になってきて。その日の海の景色や、釣れた魚のことを思い返しながら手を動かしていると、なんだか余韻に浸れるんですよね。道具がいつでも気持ちよく動いてくれると、次に釣りへ行くのがまた楽しみになる。まぁ、楽しけりゃいいよね。


よくある質問

Q. リールは釣りの後、毎回洗う必要がありますか?

海釣りの場合は毎回洗うべきです。おれは最初の1年間サボっていたら、巻き感がゴリゴリになりました。塩分が内部に浸透してグリスが劣化するのが原因です。淡水釣りなら洗わなくても錆びにくいですが、海釣り後は帰宅したらすぐ洗うのが正解です。

Q. リールを洗うときの水圧はどのくらいが適切ですか?

弱い流水で流すのが正しいです。シャワーヘッドを離して、勢いを落として全体をさっと流す感じ。強い水圧だと内部に水が浸入してかえって錆びやすくなります。おれは水圧を弱めにして1〜2分、ラインローラー周辺を特に念入りに流しています。

Q. リールの保管時にドラグは締めておくべきですか?

緩めて保管が正解です。ドラグを締めたまま保管するとドラグワッシャーが変形して性能が落ちます。洗うときはドラグを締めて内部に水が入りにくくして、乾燥させたら緩めて保管。おれも最初にこれを間違えてドラグがおかしくなりました。

Q. リールオイルとグリスの使い分けはどうしますか?

オイルはラインローラーやハンドルノブなどの可動部分に使います。グリスは歯車などの金属同士が噛み合う部分です。おれはシマノの純正オイル・グリスセットを使っていますが、1セット買えば数年持ちます。塗りすぎると逆に不具合が出るので、1〜2滴が目安です。

Q. ロッドのメンテナンスで特に気をつける箇所はどこですか?

ガイド(ラインを通す輪)が一番塩分が溜まりやすいです。ガイドが錆びるとラインが傷ついて高切れの原因になります。おれは帰宅後にリールと一緒にシャワーで洗って、ガイドを念入りに流します。ジョイント部分にはワックスかロウソクを塗ると差し込みがスムーズになります。

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