PRこの記事にはアフィリエイト広告が含まれます(詳細

バイク×釣りの組み合わせは、釣りをしている人でも「そんなことできるの?」と言われることが多い。前のネイキッドに乗ってた頃は、おれもそう思ってた側だ。アスファルトの上を走るための乗り物で、わざわざ砂利と泥の道に分け入って竿を出すなんて、考えもしなかった。

できます。セロー225で4年やり続けてきたので、疑問になりそうなことを15問にまとめました。先に言っておくと、おれは専門のオフロード乗りじゃないし、林道のプロでもない。ただ「車では入れない渓に、自分の足で竿を持って立ちたい」という、それだけの動機でここまで来た普通の釣り人です。だから答えも全部、現場で転んだり迷ったりしながら覚えたことばかり。教科書の正解じゃなくて、おれが実際にどうしてるかを書きます。


Q1. どんなバイクが林道釣行に向いていますか?

A. オフロード系またはアドベンチャー系が最適です。セロー225/250・CRF250L・DR-Z400Sなどが定番。舗装路メインのネイキッドでも行ける林道はありますが、未舗装・急坂の本格林道はオフロードバイクの方が安全です。ロードバイク・スクーターは林道に向きません。

なぜセローが渓流釣りに合うかというと、軽さです。乾燥重量が軽いと、ぬかるみで足を着いて踏ん張るときに腕や腰への負担が全然ちがう。重い車体だと一度バランスを崩したら立て直せず、そのまま倒れ込む。林道の真ん中で250ccを起こすのは、それだけで体力をごっそり持っていかれて、肝心の渓に着く頃にはもう疲れてる、なんてことになりかねない。

おれが前に乗ってたネイキッドでも、よく整備された平坦な林道なら入れた。でも路面が砂利になって、轍が深くなってくると、急に怖くなる。前輪が砂利に取られて「ヌルッ」と横に逃げる感覚、あれは舗装路用のタイヤと低い車高だとどうにもならない。結局、入口で引き返したことが何度もある。セローに替えてからは、その「引き返す境界線」が一段奥に動いた感じがする。まぁ、楽しけりゃいいよね、で済ませられる範囲が広がった。

Q2. バイクの免許は何が必要ですか?

A. セロー225は普通自動二輪免許(400cc以下)でOKです。セロー250も同様。大型オフロードバイクが欲しい場合は大型二輪免許が必要です。

おれの場合、もともと普通自動二輪は持ってたから、セローを買うのに新しく免許を取る必要はなかった。これから始める人で「どの免許を取ればいいか」迷ってるなら、まず普通自動二輪で十分だと思う。渓流に行くための足として考えるなら、225や250クラスがちょうどいい。大型は確かにパワーもあって長距離は楽だけど、重い分だけ林道では持て余す。釣りが主役で、バイクはそこへ行くための道具だと割り切るなら、大型免許を急いで取る理由はそんなにない。

Q3. 釣り道具はどうやって積みますか?

A. パックロッド(4本継ぎ以上)をザックまたはシートバッグに入れるのが基本です。ロッドは長いまま外側に固定するより、ザックに収納する方が安全。テンカラなら竿が短くコンパクト。ルアーの場合は収納ケースでまとめてバッグに入れます。

これは失敗から学んだ。最初の頃、パックロッドをロッドケースに入れて、シートバッグの外側にストラップでくくりつけてた。見た目はそれっぽくて気に入ってたんだけど、林道の振動でストラップが少しずつ緩む。気づいたら片方が外れて、ケースが斜めにぶら下がってた。あのまま枝に引っかけてたら竿ごと持っていかれてたと思う。それ以来、ロッドは必ずザックの中に縦に収めて、自分の背中で守る形にした。

おれが管理釣り場用に使ってるダイワのプレッソ60ULみたいな短めのロッドだと、たためばザックにすっぽり入る。渓流ルアーのときはシマノのルアーマチックS60UL。これも安いし丈夫だしパックにできるから、バイク釣行と相性がいい。ルアーやフックの細かいものは小さな収納ケースに全部まとめて、出発前に「ザックの中で何がどこにあるか」を一回確認してから走る。これをサボると、渓に着いてから「あれが無い」と気づいて、その日のテンションが一気に下がる。

Q4. ウェーダーをバイクで持ち運ぶには?

A. 折りたたんでシートバッグに入ります。チェストハイウェーダーは嵩張るので、ウェストハイ(ヒップウェーダー)の方がコンパクトです。脱いだ後の濡れたウェーダーはビニール袋に入れてから収納します。

帰りの濡れたウェーダーの扱いは、地味だけど大事なところ。一度、面倒くさがってビニールに入れずにそのままシートバッグに突っ込んだら、家に帰った頃にはバッグの中の他の道具まで湿って、生乾きのにおいが取れなくなった。それ以来、大きめのビニール袋を必ず一枚、ザックの底に常備してる。脱いだウェーダーをそこに丸めて入れて口を縛れば、他の荷物に水とにおいが移らない。

水中に入る深さがそこまで要らない渓なら、ウェストハイの方が嵩張らなくて積みやすい。胸まである大きいウェーダーは安心感はあるけど、たたんでもかさが出る。バイクの限られた積載で何を優先するかを考えると、その渓で本当に必要な丈を選ぶのが結局いちばん身軽になる。

Q5. ヘルメットはどうしますか?バイクから離れる間?

A. バイクのロックに引っ掛けるか、木の枝に吊るすか、大きめのネットバッグに入れて置いておきます。盗難リスクが低い山中では、ミラーに引っかけておけば済む場合が多い。

これも最初は神経質になりすぎてた。ヘルメットを盗まれたら帰れなくなるから、毎回ザックに括りつけて渓まで担いで歩いてたんだけど、これがまた重いし邪魔。倒木を越えるときに引っかかるし、岩場でバランスを崩す原因にもなる。今は、人がほとんど来ない山奥の林道なら、ミラーに引っかけて置いていく。

ただし、これは「人が来ない場所だから」という前提でやってること。林道の入口付近とか、ハイカーや他の釣り人の車が停まってる場所では、さすがにロックに通すかネットに入れる。要は、その場所がどれくらい人目から外れてるかで判断を変えてる。山の奥に進むほど盗難の心配は減るけど、その代わり何かあったときに人が来ない。ヘルメット一個の置き方ひとつにも、その林道がどういう場所かが出る。


Q6. 林道で怖かった経験はありますか?

A. あります。熊の痕跡(爪痕)を見た・道に迷った・タイヤがパンクした(これは平道でしたが)の3回。林道は単独行動が多く助けを呼びにくい。「行ったことがある林道から徐々に難易度を上げる」が安全の基本です。

いちばん背筋が寒くなったのは、熊の爪痕を見たときだ。渓に沿って歩いてたら、目の高さくらいの木の幹に、新しめの縦の引っかき傷が何本も走ってた。樹皮がめくれて中の白い部分がまだ乾ききってない。あれを見た瞬間、それまで気持ちよく感じてた水の音や鳥の声が、急に「自分の足音をかき消してくる雑音」に変わって聞こえた。竿をたたんで、来た道を早足で戻った。釣果ゼロだったけど、無事に帰れたことの方がよっぽど嬉しかった。

「行ったことがある林道から徐々に難易度を上げる」というのは、説教くさく聞こえるかもしれないけど、本当にこれが命綱だと思う。初めての林道は、何が待ってるか分からない。路面が崩れてるかもしれないし、途中で道が消えてるかもしれない。一度通って「ここはこういう道だ」と体で覚えた場所を起点にして、その先を少しずつ延ばしていく。いきなり地図上の遠い渓を狙わない。これを守ってるかどうかで、怖い思いをする確率がだいぶ変わる。

Q7. 林道ナビはスマホで大丈夫ですか?

A. 山中は電波が切れます。スマホを使う場合はオフライン地図のダウンロードが必須です(maps.me・YAMAP等)。入渓前に地図を見ておき、「どこから来たか」を常に把握する意識が重要です。

実際に道に迷ったときの話をすると、原因は電波だった。渓を遡上してる最中に枝沢が分かれてて、帰りにどっちから来たか分からなくなった。スマホを見たら圏外で地図が真っ白。あのときの「画面が読み込み中のままぐるぐる回ってる」感覚は、今思い出しても嫌な汗が出る。結局、川の流れの向きを頼りに「水は必ず下流に流れてる、本流に出れば入渓点に戻れる」と言い聞かせて、下って事なきを得た。

それ以来、オフライン地図のダウンロードは絶対にサボらない。家を出る前に、その日入る渓の周辺を丸ごと保存しておく。それと、紙の地図ほど大げさじゃなくても、入渓点でスクリーンショットを一枚撮っておくのは効く。電波がなくても画像は残ってるから、最低限「自分がどの沢の、どのあたりにいるか」の見当はつく。渓流は遡れば遡るほど景色が似てくるので、「どこから来たか」を常に意識しておくクセは、釣りそのものより大事な技術かもしれない。

Q8. 林道釣行に必要な装備は?

A. ヘルメット・グローブ・オフロードブーツ(またはトレッキングシューズ)・プロテクター入りジャケットが最低限。渓流用に加えてウェーダー・ライフジャケット(または浮力素材)・熊鈴・応急処置セット。単独行動が多いのでこれらは省略しないでください。

ここで一番強調したいのは「単独行動が多いから省略しない」というところ。家族で行く車中泊や管理釣り場とちがって、林道の渓は誰もいない。転んで足をひねっても、誰も助けに来ない。だから装備は「これがあれば安心」じゃなくて「これが無いと自分の身を自分で守れない」という基準で選ぶ。

おれが特に省かないのは応急処置セット。岩場で滑って手をついて、ちょっと切っただけでも、止血して絆創膏を貼れるかどうかで、その後の行動がまるで変わる。あとはグローブ。バイクの運転用というより、渓を歩くときの「とっさに岩を掴む手」を守るためでもある。素手で濡れた岩を掴むと、思った以上に滑るし、角で皮が剥ける。装備の一個一個が、誰も来ない場所で自分を支える保険なんだと思って積んでる。

Q9. 熊への対策はどうしていますか?

A. 熊鈴をバッグに付けて常に音を鳴らす、渓流歩きでは声を出す、川下から上がる(風下から近づかない)の3点を実践してます。笛も1本持っておくと安心です。

熊鈴は、最初は「こんなチリンチリン鳴る鈴で本当に効くのか」と半信半疑だった。でも考え方を変えてからは欠かさず付けてる。熊だって本来は人を避けたい生き物で、たいていは向こうが先に気づいて離れていく。問題は「お互い気づかずに至近距離で鉢合わせる」こと。鈴の音は、その鉢合わせを防ぐための「おれはここにいるぞ」という事前通知なんだと割り切った。

それと意外と大事なのが、渓の音で鈴がかき消される問題。水の流れが強い場所だと、自分のすぐ後ろの鈴の音すら聞こえなくなる。そういうときは意識して声を出す。歌でもいいし「おーい」でもいい。一人で渓に立って大声を出してる自分はちょっと滑稽だけど、無事に帰るためなら格好なんて気にしてられない。川下から上がるのは、風下から近づくと自分のにおいが熊に届かず、向こうも気づきにくいから。風と水の流れを読むのは、釣りでも熊対策でも同じだなと思う。

Q10. 渓流釣りの免許(遊漁券)は必要ですか?

A. 必要です。多くの渓流は漁業組合の管轄で、遊漁券(1日500〜1,500円程度)が必要です。現地の釣具店・コンビニで購入できることが多い。無券での釣りは密漁になるので必ず確認してください。

これは絶対に省いちゃいけないところ。遊漁券は、その渓の魚を守って、放流して、管理してくれてる漁協への対価だ。おれたちが気持ちよく渓に立てるのは、誰かがその水辺を管理してくれてるからで、その仕組みを支えるのが遊漁券だと思ってる。値段も一日数百円から千数百円くらいで、決して高くない。

バイク釣行で気をつけたいのは「買い忘れ」。車なら途中のコンビニや釣具店に寄りやすいけど、林道直行だと現地で売ってる場所が無いことも多い。だから出発前に、その渓を管轄してる漁協の券がどこで買えるか、年券・日券のどちらにするかまで含めて確認しておく。現地で「券、どこで買うんだ」と慌てるのは、バイク釣行だと致命的にロスが大きい。事前の一手間で、その日の釣りがまるまる無駄にならずに済む。


Q11. 林道釣行に向いている季節はいつですか?

A. 4月〜10月が基本です。渓流の禁漁期間(9〜2月が多い)と林道の積雪・凍結を避ける必要があります。春の雪解け水で増水する4月前半も危険。4月中旬〜9月が最もバランスが良い。

季節の判断で見落としがちなのが、林道そのもののコンディションだ。禁漁が明けたから行こう、と思っても、4月前半はまだ日陰や標高の高いところに雪が残ってることがある。アスファルトと違って林道は乾きにくいから、表面が乾いて見えても轍の底はぬかるんでる。そこにオフロードバイクで突っ込むと、一気に足を取られる。だからおれは、シーズンの入りはあえて焦らない。「魚が釣れる時期」と「バイクで安全に入れる時期」は完全には一致しないと考えてる。

雪解けの増水も侮れない。渓の水が普段より一段高くて、流れが速くて、にごってる。こういう日は釣果も伸びにくいうえに、渡渉で足をすくわれるリスクが上がる。無理して入って怖い思いをするより、水が落ち着くのを待つ。4月中旬から9月くらいが、魚・林道・水量の三つがいちばん噛み合う時期で、その中でも梅雨明け前後の安定した日を狙うことが多い。

Q12. 一人で林道に行くのは危険ですか?

A. リスクはあります。転倒・道迷い・バイクの故障・熊遭遇——すべて一人では対処が難しい。対策として「行き先を家族に伝える・帰宅時間を設定する・連絡が取れないときの対応を決めておく」を徹底してください。

正直に言うと、一人で行くこと自体の危うさは、何年やっても消えない。だから対策で埋める。おれが家を出るとき必ずやるのは、妻に「今日はどの方面の渓に行く」「だいたい何時には帰る」を伝えること。最初は「いちいち面倒だな」と思ってたけど、これは自分のためじゃなくて家族のためのルールだと考え直してからは欠かさなくなった。もし連絡が途絶えたとき、どこを探せばいいか分かるかどうかで、最悪の事態のときの結果が変わる。

帰宅時間の設定も同じで、「この時間を過ぎても連絡がなかったらこうしてくれ」まで決めておく。一人の林道釣行は、自由の代わりに、その自由の重さを全部自分で背負う遊びだ。家には小学3年生の息子もいる。自分が好きでやってる釣りで家族に心配をかけたくないし、最悪の迷惑だけはかけたくない。だからこの一手間は、楽しく続けるための前提条件だと思ってる。

Q13. 体力はどれくらい必要ですか?

A. 渓流歩きは見た目以上に体力を使います。岩場・倒木越え・ウェーダーを履いての水中遡上——2〜3時間の遡上で翌日に筋肉痛が来ることも普通です。最初は短時間・短距離の渓流から始めることをすすめます。

これは始める前にいちばん甘く見てたところ。渓流釣りって、川辺をのんびり歩くイメージがあるかもしれないけど、実際は全身運動だ。濡れて滑る岩を一歩ずつ確かめながら越えて、倒木をまたいで、流れに逆らって水の中を進む。ウェーダーを履いた足は水の抵抗を受けるから、平地を歩く何倍も疲れる。40代後半のおれは、初めて本気で遡上した日の翌朝、太ももとふくらはぎがバキバキで、階段の上り下りで情けない声が出た。

だから「最初は短く」を本気ですすめる。いきなり何時間も遡ろうとすると、奥で疲れ果てて、帰りの体力が残らない。これがいちばん危ない。渓は入るより出る方がしんどいことも多い。短い区間で「自分はどれくらいで疲れるか」を体に覚えさせて、少しずつ距離を延ばす。バイクで難易度を上げるのと同じで、体力も段階を踏む。無理した一日より、また来週も行ける一日の方が、トータルでは何倍も楽しい。

Q14. バイクのカスタムで林道向けに変えるべきものは?

A. タイヤをオフロード寄りのものに変えることが最も効果的です。次にハンドガード(枝・転倒時の手の保護)。セロー225の場合、オフロードタイヤに変えるだけで砂利道・泥道のグリップが大きく改善します。

おれもいろいろ手を出したくなった口だけど、結局いちばん効いたのはタイヤだった。同じセローでも、舗装路寄りのタイヤとオフロード寄りのタイヤでは、砂利道での安心感がまるで別物。前輪が砂利を噛んでくれる感覚があるだけで、「この先、行けるかどうか」の判断に余裕が生まれる。高いパーツをあれこれ付ける前に、まず足回りを渓に合わせる。これが遠回りに見えて一番の近道だった。

次に付けてよかったのがハンドガード。林道は両脇から枝が張り出してることが多くて、走ってるとバシバシ手に当たる。転んだときも、まず地面に着くのは手だ。ハンドガードがあるだけで、枝の引っかきも転倒時の衝撃も、だいぶ手前で受け止めてくれる。逆に言うと、カスタムはそのくらいでいい。バイクを格好よくいじることより、渓に無事にたどり着いて、無事に帰ってくることを優先したパーツ選びをしてる。これは買って損なかった、と心から思える数少ない出費だった。

Q15. 渓流釣りとバイク、どちらが先に始めましたか?

A. 釣り(10年前)→バイク・セロー(4年前)の順です。釣りをしている間に「車では行けない場所に行きたい」という思いが積もって、セローを買いました。どちらかを先にやっていれば、もう一方に引き込まれやすいと思います。

順番としては釣りが先。車中泊をしながらあちこちの渓や管理釣り場をまわってるうちに、地図を見ては「この林道の奥、車じゃ入れないけど絶対いい渓があるよな」と思うようになった。その「行けないもどかしさ」が何年も積もって、ある日とうとうセローを中古で買った。だから、おれにとってバイクは趣味の追加というより、釣りの行動範囲を広げるための翼みたいなものだった。

逆に、先にバイクが好きだった人なら、走った先で渓を見つけて「ここで竿を出したら気持ちいいだろうな」と思うはず。どっちが入口でもいい。一方を真剣にやってると、もう一方が自然と視界に入ってくる。車では着けない場所に、自分のバイクで分け入って、誰もいない渓に立つ。そこで一匹釣れたときの満足感は、何にも代えがたい。手間も危険もあるけど、それを差し引いても余りある何かがあるから、おれは4年も続けてる。まぁ、楽しけりゃいいよね、というのが結局すべての理由だ。


関連記事