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渓流でルアーを投げていたころ、バックラッシュとの戦いがしんどかったんですよ。
ベイトフィネスのリールを使っていたんですが、渓流の狭い空間でキャストするたびにラインが絡まる。釣りの時間より糸をほどいている時間の方が長い気がして、「これ、楽しいのか?」と思い始めていた。
そのとき、渓流仲間から「テンカラやってみなよ」と言われたんです。
テンカラって何?という話
最初に聞いたとき、正直よく知らなかった。フライフィッシングとどう違うのかも分からなかった。
テンカラは、竿とライン(水中糸と天糸)と毛針だけで釣りをする日本伝来の釣り方です。リールがない。ルアーもない。竿先からラインが伸びて、その先に毛針がついているだけ。
シンプルすぎて拍子抜けしますよ。でも、これが渓流にはよく合っている。
道具の少なさがバイク釣行に刺さった
セローで渓流に行くとき、積載の問題がいつもある。タックルボックスは場所をとる。リールを複数持っていくと重い。
テンカラは竿とラインと毛針のセットだけで成立する。竿を収めれば、ウエストポーチひとつに全部入る。バイクのシートバッグの隅に放り込めるんです。
これが自分の生活スタイルにめちゃくちゃ合っていた。
毛針は自分で巻くしかなかった
竿を買って、ラインを結んで、最初の毛針は付属の3本セットを使いました。
1時間もしないうちに木の枝に引っかけて1本なくし、大石の隙間に入り込んで2本目もなくした。3本目は岩にぶつけてハリスから切れました。
「入門セット3本が1時間で全部なくなった」という事実に愕然として、その日の帰り道に毛針の巻き方を調べ始めました。
テンカラの毛針はシンプルで、胴巻きとハックルがあれば形になる。材料費は数百円で数十本分作れる。一度覚えれば、なくなっても補充できる安心感があります。
初めてヤマメが毛針に出た瞬間
毛針の自作を覚えてから2回目の釣行で、ヤマメに出会いました。
岩の脇を流れる筋に毛針を乗せて、ティペットをたるませながら自然に流す。水面をふわっと漂う毛針の動きをじっと見ていたら、水面に小さな波紋が広がって毛針が消えた。
反射的に竿を立てたら、ヤマメでした。
20センチくらいの小型でしたが、朱点が鮮やかな渓流ヤマメで。ルアーのバイトとは全然違う、水面で起きた出来事がそのまま手に伝わる感じ。あれは今でも忘れられません。
テンカラの向き不向き
正直に言うと、テンカラは渓流専用の釣り方で、場所を選びます。
木が迫っていない開けた渓流なら問題ないけど、林道の奥にある細い渓流は竿が振れないことがある。オープンウォーターや海釣りには全く向かない。風が強いと毛針が安定して流せない。
でも、渓流に限定するなら、道具の少なさと釣り歩ける機動力はルアーやフライに勝ると思っています。
まとめ:セロー+テンカラは「どこまでも行ける」感覚
バイクで林道の奥まで入って、ウエストポーチひとつで渓流を釣り歩く。この組み合わせが今の自分の釣りスタイルのひとつになっています。
バックラッシュもない。荷物も少ない。毛針は自分で作れる。釣れる魚は渓流のヤマメとイワナだけだけど、それで十分すぎる気がしています。
まぁ、楽しけりゃいいよね。