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バス釣りを始めたとき、最初にベイトリールを買ってしまいました。

釣り雑誌で見たプロがかっこよく使っていたから。低いトラジェクトリーでスパッとルアーを撃ち込んで、着水と同時に巻き始める。あの一連の動きに完全に痺れて、リールの中身も投げ方も知らないまま、いちばん高そうなやつを選んでレジに持っていきました。買って帰った夜、箱から出して部屋でハンドルをくるくる回しているだけで満足していた、あの浮かれ具合を今でも覚えています。

結果、最初の3回の釣行は全部バックラッシュ(糸ぐしゃぐしゃ)で終わりました。投げた瞬間にスプールだけが空回りして、ラインがスプールの中で爆発したみたいに膨らむ。鳥の巣ができるとはよく言ったもので、毎回ほどくのに15分20分。気づいたら夕方で、まともにルアーを通せたのは数えるほど。横で家族連れがのんびり岸際を眺めている横で、おれは一人ライン地獄と格闘していました。

あのときスピニングにしておけばよかった。今ならそう言えます。当時のおれは「下手だから絡む」と思い込んでいたけど、半分はそうで、半分は道具の選び方を間違えていただけ。最初の一歩で背伸びをすると、楽しい時間が全部トラブル処理に化けてしまう——これが、入門でいちばん最初に味わった教訓でした。


スピニングとベイトの違い

スピニングリールはスプールが固定されていて、投げたときにラインがスプールの縁からほどけるように出ていきます。糸がスプールの回転に巻き込まれないから、構造的にバックラッシュが起きない。極端な話、ロッドを振って指を離すだけでルアーは飛んでいきます。投げやすく、トラブルが少なく、軽いルアーもよく飛ぶ。失敗できる回数が多いぶん、最初のうちはとにかく数を投げて感覚をつかめる。これが初心者にとっては何より大きいと、おれは身をもって感じました。

ベイトリールはこれと反対で、スプール自体がぐるぐる回ってラインを送り出します。だからサムバー(クラッチ)を押してキャストして、飛行中のスプールの回転を親指の腹でずっと微調整しないといけない。ルアーが空気抵抗で減速したのに、スプールがまだ勢いよく回っていると、出ていくラインの量より回転が勝ってしまって、あの爆発が起きる。要するにベイトは「投げるたびに親指でブレーキをかけ続ける道具」で、慣れれば狙ったピンスポットに正確に撃ち込めるし、太いラインで重いルアーをぶん投げられる。使いこなせたときの気持ちよさは確かにある。でも、その快感にたどり着く前に心が折れる人が多い。おれはまさにそのタイプでした。

なぜ最初の道具選びでここまで差が出るのか。理由はシンプルで、入門期にいちばん必要なのは「ルアーを水に通している時間」だからです。トラブル処理に時間を奪われると、肝心の「投げて、巻いて、アタリを感じる」経験がいつまでも貯まらない。だから初心者がバス釣りを始めるなら、まずスピニングから入るのが正解です。ベイトは、スピニングで一通り釣れるようになって「もっと正確に、もっと太い糸で攻めたい」と本気で思ってから足せばいい。順番を逆にしないこと、これに尽きます。


スピニングタックルで入門する場合

ロッドはMLパワー(ミディアムライト)の6〜7フィートが使いやすい。なぜMLかというと、柔らかすぎず硬すぎずで、軽いワームも投げられるし、そこそこのサイズが掛かっても主導権を握れる。やわらかいULだとルアーの操作感が伝わりにくいし、硬いMだと軽いルアーが乗らない。最初の1本は「真ん中」を選んでおくと、後で釣りの幅が広がっても潰しが効きます。長さは取り回しと飛距離のバランスで、岸際を細かく撃つなら6フィート前半、広いフィールドで飛距離が欲しいなら7フィート、という選び方でいいと思います。

リールは2500番か3000番。番手で迷うくらいなら、おれは2500番を勧めます。本体が軽くて一日中投げ続けても手首が疲れにくいし、ラインキャパも入門には十分。ラインはPE1号またはナイロン8〜10ポンド。フロロカーボンのリーダーをつければ、ワームからスモールルアーまで対応できます。ここで一つだけ言っておくと、リールに最初から巻いてある糸は質がいまいちなことが多いので、別で買って巻き直すと一気に投げやすくなる。これは安いタックルでも見違える、効きの大きい一手間です。

最初のルアーはワームと小型バイブレーションがあれば十分です。ワームは底や障害物まわりをじっくり探る役、バイブレーションは広い範囲を巻いて手返しよくバスの居場所を探る役。性格の違う2枚があれば、その日の状況に合わせて手を変えられる。使いこなせるルアーが2〜3種類あれば、バスを釣る機会は十分あります。逆に、釣れていないときほど「ルアーが悪いんじゃないか」と新しいものを足したくなるんですが、たいていの原因はルアーじゃなくて場所と通し方です。少ない手駒を「どこに、どう通すか」で使い分けるほうが、結局いちばん早く上達します。



最初に買ったルアーは全部使わなかった

入門当時に買ったルアーボックスを見返すと、ほとんど使っていないものばかりでした。フックがピカピカのまま、パッケージの折り目だけくっきり残っているやつが大半。釣具屋の壁一面に並んだカラフルなルアーを前にすると、つい目移りして「これも釣れそう」「これも置いてないと不安」と、気づけばカゴがいっぱいになっていた。あの高揚感、いま振り返ると半分は釣りじゃなくて買い物そのものが楽しかったんだと思います。

買うときは「これも使えそう」となるけど、実際に釣りに行くと結局よく使う2〜3種類に落ち着く。手が勝手に伸びるのは、いつも投げ慣れた信頼できる数個だけ。残りは「いつか出番が来る」と思いながら、ボックスの肥やしになっていく。最初から多く揃えなくてよかった、が正直な感想です。むしろ少ない手駒のほうが、一個一個をしっかり投げ込むぶん腕が早く上がった気さえします。

スピニングタックル1セットと、ワーム3種・バイブ1個から始めるのが一番コスパがいいと思います。足りなくなったら足せばいいし、釣りを続けていくうちに「自分はこういう釣りが好きなんだ」という方向性が見えてくる。そこで初めて、自分の釣りに合ったルアーを納得して選べるようになります。最初に全部揃えようとすると、好みもわからないまま無駄を買い込むことになる。まぁ、その無駄も含めて楽しいといえば楽しいんですが、コスパで言えば「少なく始めて、欲しくなった分だけ足す」が正解です。


バスをコンスタントに釣るためのコツ

バスはいる場所といない場所がはっきり分かれます。だだっ広い水面を見て「どこにでもいそう」と思って漫然と投げていた頃は、半日やって一匹も触れない日がざらでした。ところが「いる場所」がなんとなく見えるようになってからは、同じフィールドでも釣果がまるで変わった。バスは水中のどこにでも散らばっているわけじゃなくて、エサと身を隠せる条件が揃ったピンスポットに固まっている——これに気づけるかどうかが、入門の最初の壁だと思います。

障害物(杭・岩・水草の際)に着いていることが多い。理由を自分なりに腹落ちさせると探し方が変わります。バスは待ち伏せ型のハンターで、流れや物陰に身を潜めて、通りかかった小魚やエビにスッと出る。だから何もない平らな底より、変化のあるところに着く。岸から10mくらいの範囲を丁寧に探るほうが、遠投して広く攻めるより釣れることが多かったです。遠くへ飛ばすのは気持ちいいけど、足元の杭の際を素通りして沖ばかり狙うのは、いちばんおいしい場所を自分から捨てているようなもの。まずは目の前の「怪しい一点」に、向きと角度を変えて何度かルアーを通してみる。これだけで反応がガラッと変わることがあります。

水温も重要で、15〜20度くらいが活性が高い印象。冷たすぎるとバスは深場でじっとして口を使わないし、暑すぎると日中は物陰や水深のあるところに逃げ込む。手を水に浸けて「冷たっ」と感じる時期は、朝より日が高くなって少し水がゆるんだ昼前後のほうがチャンスがあったりする。逆に真夏は、日差しの強い真昼を避けて朝夕の涼しい時間に絞るほうが効率がいい。季節でいえば春と秋が初心者でも釣りやすい時期です。春は産卵を意識したバスが浅場に上がってきて、秋は冬に備えてエサを荒食いする。タックルの腕に自信がないうちは、この釣りやすい季節に通って成功体験を積むのが、続けるいちばんのコツだと思います。


まとめ

バス釣りはルアーも多くて入門の壁が高そうに見えるけど、スピニングタックル1セットと基本ルアー数個から始めれば十分楽しめます。最初におれがやってしまったのは、道具もルアーも「上級者の真似」から入ったこと。背伸びした分だけトラブルと出費が増えて、肝心の楽しい時間が削られました。スタートで欲張らず、少ない道具を投げ込んで「投げる・巻く・探す」の基礎を体に入れる。これがいちばんの近道だと、遠回りした今ならはっきり言えます。

道具選びで迷ったら、「失敗しても投げ続けられるか」を基準にすると間違えにくい。スピニングはまさにそれで、下手でも数を投げられるから上達が早い。釣れる場所が見えてくるのも、結局はたくさん投げて水を読んだ回数の分だけです。

まぁ、ベイトは憧れるけどバックラッシュの洗礼を受けてから買うのが正解だと思います。憧れは取っておいたほうが、いざ手にしたときの楽しみも大きい。スピニングで一通り釣れるようになって、それでも「あの正確な撃ち込みがやりたい」と思ったら、そのときがベイトの買い時です。まぁ、楽しけりゃいいよね、というのがおれの釣りの根っこなので、まずは気楽に、釣れる時期に近所の水辺へ一本持って出かけてみてください。


バス釣りタックルについてよく聞かれること

Q. バックラッシュしたとき、どうやってほどけばいいですか?

無理に引っ張ると余計に絡まります。スプールを少し押さえながらラインを少しずつ引き出して、ループができているところを手でほぐしていくのが基本です。慣れないうちは時間がかかりますが、焦らずゆっくり作業するのが結局一番早い。

Q. PEラインとナイロン、最初はどれがいいですか?

入門ならナイロン8〜10ポンドが一番扱いやすいです。PEは感度が高いですが、結び方とリーダー接続が必要なので手間がかかります。ナイロンで釣れるようになってからPEに移行するのがおすすめです。

Q. バスが釣れない理由がわからなくて困っています

一番多いのは「バスがいる場所を狙えていない」ことです。バスは必ず何かの障害物についています。岸際の杭・草の際・岩の横など「隠れられる場所」を重点的に狙うだけで釣果が変わります。広く投げるより、ピンポイントを丁寧に攻めるほうが初心者には効果的です。

Q. ワームは何色が釣れますか?

定番はグリーンパンプキン(グリパン)とウォーターメロンです。濁った水ではチャートリュース・白・オレンジなど明るい色が有効です。まずはグリパン1色を徹底的に使い込む方が、色を変えるより釣れる場所を探す精度が上がります。

Q. ボートなしで釣れますか?

もちろん釣れます。岸釣り(オカッパリ)はバス釣りの基本で、岸から届く範囲に十分バスはいます。特に春は産卵のために浅場に入ってくるので、岸釣りでも大型バスを狙える時期です。まずはオカッパリから始めて地形を覚えると上達が早いです。


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