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バイクキャンプと車中泊釣行では、シュラフに求めることが正反対だと気づくまで時間がかかった。同じ「寝袋」なのに、使う場面が変わるとこんなに選ぶポイントが変わるものかと、3年越しで実感している。

バイクキャンプと車中泊で求めるものが違う

セロー225でのバイクキャンプでは、積載量がとにかく限られる。サイドバッグとシートバッグで全部の荷物を収めなきゃいけないから、体積と重さは絶対条件だ。シュラフが圧縮してもペットボトル1本分にならないと、他の荷物を削るかどうかという話になってくる。

一方、ハイゼットカーゴでの車中泊釣行は事情が違う。多少かさばっても荷室に放り込めばいいし、重さもほとんど気にならない。それより朝マズメの冷え込みに耐えられる保温力のほうが大事で、「とにかく暖かく眠れるか」が判断基準になる。

同じ「シュラフ選び」でも、バイクと車中泊でまったく別の話になる。これに気づかずに同じシュラフで両方をこなそうとして、何度か失敗した。

3年間で使い比べたシュラフ

最初に買った安価な化繊シュラフ(失敗)

キャンプを始めた頃、まず買ったのはホームセンターで4000円くらいの化繊シュラフだった。寝ること自体は問題なかったけど、バイクに積もうとして初めて「これはだめだ」と気づいた。圧縮しても直径30センチ近くある。シートバッグの半分近くをシュラフだけで占領してしまって、テントも着替えも入らない。最初のソロキャンプはN-VANで行った。

ナンガのダウンシュラフ(バイクキャンプ向け)

これに替えてから、バイクキャンプの積載問題がほぼ解決した。圧縮するとコンビニのおにぎり2個分くらいの大きさになる。重さも600グラム台で、シートバッグに入れても他の荷物を圧迫しない。3シーズン(春〜秋)対応なら10℃前後まで普通に眠れる。値段は張るけど、おれは「バイクキャンプはナンガ」と決めてから迷わなくなった。

モンベルのダウンハガー(車中泊釣行向け)

車中泊釣行では、春先や晩秋の冷え込みが思ったより厳しい。ハイゼットカーゴの荷室は断熱がほとんどないから、外気温が5℃になると車内もかなり冷える。3シーズン用のナンガで朝まで乗り切れないことが何度かあった。モンベルのダウンハガーは少し大きめだけど、保温力に余裕があって朝マズメの時間帯を快適に乗り切れる。

冬専用シュラフ

ワカサギ釣行で使い始めた。これは後述の失敗談で詳しく書く。

バイクキャンプ向けシュラフの選び方

使い比べてわかったことをまとめると、こういう基準になる。

項目バイクキャンプ車中泊釣行
重さ600g以下〜1.5kgまでOK
圧縮後体積できるだけ小さく多少大きくてもOK
保温力10℃対応〜(3シーズン)5℃以下対応(春秋の夜は冷える)
素材ダウン推奨(軽い)化繊でも可(濡れに強い)

バイクは「積めるか積めないか」が先に来るから、まず体積から考える。車中泊は「何度まで対応か」を先に考えたほうがいい。シュラフの快適温度より実際の使用温度が10℃近く違うことも多くて、余裕を持った温度帯のものを選ぶほうが後悔しない。

失敗談——冬の朝マズメに凍えた話

一番後悔したのは、長野のワカサギ釣行だった。12月の初旬で、天気予報は最低気温-3℃。「秋冬対応って書いてあるし大丈夫だろう」とモンベルの3シーズン用シュラフで臨んだ。

夜中の2時頃から全然眠れなくなった。体の芯から冷える感覚で、シュラフの中でガタガタ震えながら夜明けを待った。朝4時に起き出してワカサギ釣りの準備をしたけど、手がかじかんで仕掛けがうまく作れない。集中力も落ちていて、あの日の釣果はたぶん本調子の半分もなかった。

「コンフォート温度」と「リミット温度」の違いを、あの夜初めて身体で理解した。リミット温度というのは「なんとか眠れる下限」の温度で、快適に眠れる温度ではない。3シーズン用のコンフォート温度が0℃と書いてあっても、それは「ちょうどいい」ではなく「ギリギリ耐えられる」の話だった。

真冬の釣りキャンプには、ちゃんと冬用シュラフが要る。

よく聞かれること

Q. ダウンと化繊、どっちが釣りキャンプ向きですか?

どちらにも理由がある。バイクキャンプなら軽くて圧縮できるダウン一択に近い。車中泊釣行なら、雨の多い春先や秋は化繊のほうが濡れに強くて安心感がある。ただし、化繊は同じ保温力でもダウンより重くなる。使う季節と移動手段で選ぶのが素直だと思う。

Q. 「コンフォート温度」と「リミット温度」の違いは?

コンフォート温度は「ぐっすり眠れる下限気温」、リミット温度は「なんとか眠れる限界気温」の目安。使用予定の最低気温よりコンフォート温度が低いシュラフを選ぶほうが現実的だ。リミット温度と気温が近いと、おれの長野の夜みたいなことになる。

Q. 洗濯できますか?車中泊で使った後のメンテ方法は?

ほとんどのシュラフは自宅の洗濯機で洗える。ダウンシュラフは必ず低回転・弱洗いで。乾燥はコインランドリーの大型乾燥機がベスト。途中でテニスボールを数個入れると、ダウンの偏りが解消されてふかふかに戻る。釣行後は汗と湿気を飛ばすため、帰宅したら必ず陰干しする習慣をつけると長持ちする。

まとめ

シュラフは安くていいものを選ぼうとすると後悔することが多い道具だ。おれ自身、最初の化繊シュラフでバイクに積めない失敗をして、冬のワカサギ釣行で凍えた失敗をして、ようやく「用途に合ったものを選ぶ」という当たり前のことに気づいた。

一度ちゃんとしたものを買うと、キャンプの質が全体的に変わる。睡眠が変わると翌朝の釣りも変わる。シュラフだけでこんなに差が出るとは思っていなかった。


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