「仕舞寸法」って言葉、竿を買うまで知りませんでした。
スペック表に「全長210cm・仕舞寸法105cm」とか書いてあっても、正直「全長がすべてでしょ」くらいに思っていたんです。実際に痛い目を見るまでは。
結論から言うと、仕舞寸法は全長と同じくらい大事な数字です。竿は「振っているとき」より「持ち運んでいるとき」のほうが長い時間を占めます。釣り場に着くまでの車のトランク、バイクのシートバッグ、自宅の収納スペース——全部、全長ではなく仕舞寸法で決まります。
仕舞寸法とは何か
仕舞寸法とは、竿を継いだり縮めたりして一番コンパクトにしたときの長さのことです。並継ぎ竿なら一番長い節の長さ、振出し竿(テレスコピック)なら全部を縮めた状態の長さを指します。
おれが最初に買った渓流竿は、全長210cmでした。「210cmくらいならバイクのシートバッグに余裕で入るだろう」と思っていたら、仕舞寸法を見ずに買っていたので、実際に届いた竿は仕舞寸法118cm。シートバッグの対角線を測っても入らなくて、結局その日はロッドケースなしで車で行くしかなかった。せっかく林道の奥まで走るつもりだったのに、竿のせいで予定を変えることになったんです。
同じ「全長210cm」でも、継ぎ数が多い竿ほど仕舞寸法は短くなります。逆に言うと、仕舞寸法だけ見て「短いから性能が低いんじゃないか」と思うのも早合点です。継ぎ数と仕舞寸法、そして感度・強度はトレードオフの関係にあります。
継数と仕舞寸法のトレードオフ
竿選びで見るべきは、全長・仕舞寸法・継数の3つのバランスです。
| 継数 | 仕舞寸法の傾向 | 感度・強度 | 向いている人 |
|---|---|---|---|
| 2〜3本継ぎ | 長め(80〜120cm前後) | 継ぎ目が少なく感度が高い | 車移動メイン・自宅保管に余裕がある人 |
| 5〜7本継ぎ | 中間(50〜80cm前後) | バランス型 | 車・バイク兼用で使いたい人 |
| 振出し式(パックロッド) | 短い(30〜60cm前後) | 継ぎ目が多くやや感度は落ちる | バイク・電車・徒歩でのアクセスがメインの人 |
継ぎ目が増えるということは、竿の中に「つなぎ目」という弱点が増えるということでもあります。感度がわずかに落ちたり、継ぎ目のガタつきが気になったりすることはある。でも、渓流の小場所でヤマメやイワナを相手にするような釣りなら、その差を感じる場面はほとんどないというのが、実際に何本も乗り換えてきたおれの実感です。
むしろ「積めない・持って行けない」ことのほうが、性能差よりずっと痛い。現場で一番いい竿は、結局のところ「そこに持って来られた竿」なんですよね。
仕舞寸法の調べ方
竿のスペック表を見るときは、以下の順番でチェックしています。
- 仕舞寸法をまず見る: 全長より先に見る。持ち運び手段(車・バイク・電車・徒歩)に対して収まるかがすべての前提になる
- 収納先の寸法を先に測っておく: 車のトランクの対角線、バイクのシートバッグの内寸、玄関の収納スペース。竿を買う前に、自分がどこに入れるつもりなのかを先に数字で持っておく
- 継数を確認する: 同じ仕舞寸法でも継数が違えば感度・強度が変わる。安さだけで選ぶと、継ぎ目の多さに驚くことがある
- ロッドケースの有無を確認する: 仕舞寸法が短くても専用ケースがないと結局むき出しで運ぶことになる。ケース付属かどうかは持ち運びの快適さに直結する
正直、1番と2番を先にやらずに竿を選んで失敗したのが、冒頭の210cm竿の話です。今は逆に、「自分の車・バイクにどれだけの長さが入るか」を先に測ってから竿を探すようにしています。順番を変えただけで、失敗がほぼなくなりました。
こんな人には仕舞寸法よりも別の基準を優先してほしい
仕舞寸法ばかり気にすればいいわけでもありません。
- 車移動しかしない人: トランクに余裕があるなら、仕舞寸法を削るより継ぎ目の少ない高感度な竿を選んだほうが釣りそのものは楽しめます
- 本格的にセンシティブな釣りを突き詰めたい人: 継ぎ目のわずかな感度差が気になるレベルの人は、多少長くても継数の少ないワンピース〜2本継ぎを優先すべきです
- 家の収納に十分な余裕がある人: 自宅保管がボトルネックにならないなら、仕舞寸法を犠牲にする理由は薄くなります
仕舞寸法を最優先すべきなのは、あくまで「積めない・持って行けない」がボトルネックになっている人です。おれのようにバイクや電車も使う釣行スタイルだと、ここが最初の関門になります。
よくある質問
Q. 仕舞寸法とは具体的に何を指しますか?
竿を継いだり縮めたりして一番コンパクトにしたときの長さです。並継ぎ竿は一番長い節の長さ、振出し竿は全部縮めた状態の長さを指します。全長ではなく、持ち運ぶときの実際の長さを示す数字です。
Q. 仕舞寸法が短い竿は性能が低いのですか?
一概には言えません。同じ全長でも継数が多いほど仕舞寸法は短くなり、継ぎ目が増える分わずかに感度は落ちますが、渓流の小場所を狙う釣りなどでは差を感じにくい場面がほとんどです。「積めない」ことの方が実害としては大きいことが多いです。
Q. 仕舞寸法はどこを見て確認すればいいですか?
竿のスペック表に「全長」と並んで記載されています。竿を選ぶときは全長より先に仕舞寸法を確認し、自分の車・バイク・収納スペースの寸法と照らし合わせるのがおすすめです。
Q. バイクに積む場合、仕舞寸法はどのくらいが目安ですか?
シートバッグの内寸によりますが、振出し式のパックロッドなら仕舞寸法60〜80cm前後でシートバッグに収まることが多いです。バイクでの積み方の詳細は関連記事にまとめています。
Q. 仕舞寸法が長い竿を無理に短く収納する方法はありますか?
無理な折り曲げは破損の原因になるため避けてください。仕舞寸法自体を短くしたい場合は、継数の多い竿や振出し式への買い替えを検討するのが確実です。
竿そのものの選び方(長さ・硬さ)で失敗した話はこちら。
→ 釣り竿(ロッド)の選び方——最初の1本で失敗した話と、今なら何を選ぶか
バイクへの積み方をさらに詳しく知りたい人はこちら。