冬に釣りキャンプをやるときは、鍋を食べると決めています。
寒い夜に外で鍋を囲む。これだけで冬キャンプの価値がある。その日釣れた魚を入れると、出汁が出て旨みが全然違う。スーパーで買ってきたものと比べると、釣りたての魚のアラから取れる出汁の深さが違います。
正直なところ、おれが冬キャンプに行く理由の8割くらいはこの鍋なんですよ。釣りは口実というか……まぁ、両方が目的なんですけど。
釣れた魚で鍋を作る基本
どんな魚でも鍋に向いています。
アジ・メバル・カサゴ・チヌ・グレ・イシモチ・キス。骨と皮のある魚であれば、出汁が出ます。
基本の手順:
- 釣れた魚を締めて血抜き
- 三枚おろしにして身は取り置き
- アラ(頭・中骨・皮)を塩水で洗って霜降り(熱湯をかける)
- 水から鍋に入れてコンブと一緒に中火でだし取り
- アクを取りながら10〜15分で出汁完成
- 好みの具材と身を加えて味付け
霜降りをサボるとアクが大量に出て出汁が濁ります。これが一番大切な工程。おれも最初の頃は面倒で飛ばしていたんですが、霜降りありとなしで出汁の透明度がまるで違う。透明な出汁のほうが旨みも断然深いんですよ。
アジアラ鍋の作り方(1〜2人分)
冬の夜にアジングで5〜8匹釣れた日のレシピです。
出汁の材料:
- アジのアラ 3〜4匹分
- 水 800ml
- 昆布 1枚(10cm角)
- 日本酒 大さじ2
具材:
- アジの身(3枚おろし)
- 豆腐 半丁
- 白菜 数枚
- ネギ 1本
- 好みのきのこ(シメジかエノキが出汁と合う)
味付けは塩を少し足すか、白だしを加えるくらいが魚の旨みを活かせます。醤油を少し入れると香りが出る。おれは仕上げに昆布だし顆粒をひとつまみ追加して味を整えることが多いです。
魚の旨みが強いので、調味料は控えめが正解。足りなければ後から足せる。最初から入れすぎると取り返しがつかないんですよ。
おれがやらかした話——出汁の火を強くしすぎた失敗
冬の夜は気温が低いから、早く温まりたくて火を強めに入れてしまうことがあります。
正直なところ、これが一番の失敗パターンなんですよ。強火でガンガン煮ると出汁が白濁して、魚の臭みが出てきます。お湯を沸かしているのとほぼ変わらない状態になってしまって、せっかくのアラ出汁が台無し。
2年前の12月、紀伊半島の漁港でカサゴを10匹くらい釣れた夜がありまして。喜んでアラ鍋にしたんですが、N-VANのポータブル電源でCB缶のバーナーを強火で使い続けたら、出汁がぽったりと白く濁ってしまいました。飲めないことはないんですが、臭みが出て期待していた味じゃなかったんですよ。
その日の教訓は「沸いたら即弱火」。昆布を入れて沸騰直前で取り出してアラを加え、そこからずっと弱火でじっくり。10〜15分かけてゆっくり出汁を引く。この手順を守るようになってから失敗がなくなりました。
もう一つのやらかし話が、塩を入れすぎたこと。夜の暗い中で量を見誤って、小さじ1のつもりが大さじ1くらい入ってしまった。魚の旨みはそれなりにあるのに、しょっぱくて水で薄めても回復しない。N-VANの荷台で虚しく雑炊を作ったのを覚えています。計量スプーンは必ず持参したほうがいいです、まぁ。
鍋の下ごしらえを釣り場でこなすコツ
冬キャンプで鍋を作るとき、一番面倒なのが捌き作業です。
気温5度以下の夜に手がかじかんだ状態で魚を捌くのはなかなかきつい。おれはここ3年、以下の段取りでやっています。
釣り場での下ごしらえ順序:
- 釣れたらすぐに締めて血抜き(クーラーボックスに氷と水で締める)
- 帰り際に、バケツに海水を汲んでぱぱっと洗う
- キャンプサイトに戻ったらすぐ捌く(手が冷えきる前に済ませる)
- アラを塩水で洗って、そのままジップロックに入れておく
- 鍋の準備が整ったタイミングで霜降り→鍋に投入
手袋は釣り用のフィッシンググローブだと捌くときに邪魔になるので、キャンプ用のインナーグローブを捌き作業用に1枚持っておくといいです。素手でやるより断然ラクで、手の体温も守れます。
また、まな板代わりになる小型のカッティングボードを専用で1枚持っておくと、ハイゼットカーゴのバックドアテーブルで作業しやすい。おれはダイソーの折りたたみまな板(300円)を使っていて、これが軽くてコンパクトで重宝しています。
冬のキャンプで食べる鍋は格別
同じ材料でも、外で食べると味が違う。
気温が低くて、鍋から湯気が上がって、体が温まる。火を囲んで食べる形式が、鍋の美味しさを増幅させているんだと思います。12月の夜に体の芯まで冷えた状態でアジアラ鍋を食べる瞬間——あれは本当に幸せな気持ちになります。
残り汁でご飯や麺を煮ると締めになります。アジアラ出汁で作った雑炊は、魚の旨みが染み込んで最高です。おれはカップのそうめんを持っていって鍋の締めに使うことが多くて、魚出汁との相性がいいんですよ。
まとめ
釣れた魚を使った鍋は、材料費がほぼ0円で作れる最高の釣りキャンプ飯。冬の釣りキャンプに行く理由として、鍋が一番の動機になっています。
ポイントをまとめると:
- 霜降りは絶対にサボらない(出汁の透明度と旨みが全然違う)
- 出汁は弱火でじっくり10〜15分(強火で煮ると臭みが出る)
- 味付けは控えめに始める(足すことはできるが引けない)
- 捌き作業は手が冷えきる前に済ませる
まぁ、釣れなくても持参のスーパーの魚で鍋を作れるので、釣れなくても困らないのがいいところ。それでも自分で釣った魚で作る出汁はやっぱり格別で——その達成感も含めて、鍋の旨さになっているんだと思っています。
よくある質問
Q: 釣れた魚のアラ鍋に向いている魚はどれですか?
A: アジ・メバル・カサゴは特に出汁が出やすく、初心者にも扱いやすいです。チヌ(黒鯛)やグレ(メジナ)も出汁は豊富ですが、独特の磯臭さが出やすいので霜降りを丁寧にするのがポイントです。骨と皮がしっかりある魚であれば基本的に何でも使えます。
Q: 霜降りはどうやってやるのですか?
A: アラをバットやボウルに並べて、沸騰したお湯をかけるだけです。表面が白くなって臭みの元になるアクが出てきたら、すぐに冷水で洗い流してください。この工程をすることで出汁が透明になり、旨みが増します。キャンプ場では別の小鍋でお湯を沸かして使うのが手軽です。
Q: 冬キャンプで鍋を作るときに必要な道具を教えてください。
A: 最低限必要なのは、深めのコッヘルかアルミ鍋(20〜22cm)、カセットバーナー、計量スプーン、小型まな板、包丁です。クーラーボックスは釣り用を兼用できます。軽バンなどの車中泊スタイルなら荷台スペースに余裕があるので、少し大きめの鍋(22cm程度)を持っていくと食材が入れやすくなります。
Q: アラ鍋の出汁がうまく取れないときはどうすればいいですか?
A: 出汁が薄いと感じたときは、アラの量が少なすぎるか、煮る時間が短い可能性があります。1〜2人分なら3〜4匹分のアラを目安にしてください。また昆布と日本酒を加えると旨みが増します。どうしても出汁が薄い場合は市販の顆粒昆布だしを少量足せば十分な旨みになります。
Q: 鍋の締めはどうするのがおすすめですか?
A: アジアラ出汁に合うのは、雑炊か細めの麺類です。そうめんを乾麺のまま持っていって、鍋の最後に入れてさっと煮て食べるのが手軽でおすすめです。雑炊にする場合はご飯を水で洗ってから入れるとべたつかずきれいに仕上がります。残った出汁はそのまま飲んでも旨いので、余らせないのがコツです。